チクタク氏の医学ブログ

とある医学生の戯言です。語源とかゴロとか。

行ってはいけない研修病院の見抜き方

 

4月も3週が過ぎて少しずつ病院での勤務にも慣れてきたチクタク氏です。

働いていると筆者の病院がとても研修医思いでホワイトな職場であることを強く感じます。

しかし、大学同期やTwitterの話を聞いていると、ブラックな病院が後を絶たないという印象を受けます。

今回はハイポ主義者の私見も混じりますが、医学生向けに行かない方が良い病院の見抜き方について紹介していきます。

 

 

研修医を安価な労働力として酷使する病院

まず最も多いのが、研修医の時給が低いことを利用して、上級医がやるべき仕事や看護師の仕事や雑用を研修医に押し付ける病院です。

具体的には、やたらと当直や休日出勤が多かったり残業代の申請が制限されていたり、入院患者の採血やライン確保などの看護師でもできる仕事を教育目的とは思えない回数でやらせる病院です。

特に早朝・深夜帯や休日などの時間外は時給に比例して労働単価が上がります。研修医の給料が低く抑えられている病院では研修医に時間外労働を押し付けると経営者にとって都合が良いのです。夜間や休日に仕事を押し付けられた研修医はたまったもんじゃないですよね。

これに対して『たくさん働いて症例経験が積める』『採血の技術が上がるよ』『回診前に患者さんと顔を合わせて患者さんをよく見ることができる』『一見雑用に見えてもそこから学ぶことがあるんだ』などの意見が上がるでしょう。それも一理あるとは思います。しかし、時間外に酷使したり、既に身につけた手技を何度もやらせる理由になっているのでしょうか

数年前に『逃げ恥』というドラマで話題になった『やりがい搾取』そのものではないでしょうか。

そもそも研修医はうつ状態になったりドロップアウトしてしまう先生が多いのですが、過度な労働がその一因と考えられます。ハードな病院はたくさんの症例を経験をしたいと集まる医学生が絶えないのですが、経験を積む以前にドロップアウトしてしまっては本末転倒ですからね。

大学入学時はやる気があっても、学年が上がって9時5時の授業や実習ですらサボろうとする方が多いと思います。残業なんてそれ以上長いですからね。それと同じ過ちを病院選びでやってしまう方が後を絶たないのは不思議でしょうがないです。

見抜き方と回避方法

悪口はこのぐらいにして、そういった病院の見抜き方に入ります。

まず給料を見るときは必ず看護師の給料と比較しましょう。同レベルまではセーフですが、研修医の方が明らかに低い場合はリスクがあります。

次に見学などで先輩方の働き方をしっかり見ましょう。残業代が出るのかや休日の取り方などを先輩方に話を聞くのも大切です。また実際に働いている様子を見て、定時以降まで見学をして定時に帰れる研修医がいるのかを見ると良いのではないでしょうか。

また『症例数の豊富さ』を売りにした病院は、その陰で長時間労働を強いていることの裏返しである可能性があるので注意です。

 

EBMでない時代錯誤な治療を行う病院

Evidence Based Medicine (EBM)とは、科学的な妥当性が証明された治療法で医療を行う、という考えであり、まともな病院ではこれが徹底されているのですが、EBMに基づいていない医療を行う医師も残念ながら一定数います。

特に田舎の病院などで一人医長などが、誤った治療治療効果が否定された古い治療などを続けている病院があります。

せっかく研修として学んでも、明らかそれが間違いであれば、患者さんも救われないですし、再度学び直しになるので無駄ですよね。

初期研修では必ずしも最先端の医療を行う病院でなくても良いとは思いますが、少なくとも古すぎる医療は考えものです。

見抜き方と回避方法

まずは一つの診療科にある程度の医師数がいる病院へ行くべきでしょう。

また大学の医局との繋がりの強い関連病院であればこの点は安心できます。

 

診療科の偏りが強すぎる病院

研修病院の中には、特定の診療科に特化していて、大部分の診療科が研修をするレベルとして微妙な病院があります。

その診療科を目指すにしても、周辺で関係のある診療科の研修ができないことはデメリットが大きいです。他の診療科を回ることができる初期研修期間は、ある程度バランスの良い病院を選んだ方が賢明です。

見抜き方と回避方法

病院のHPなどでどんな診療科があり、診療科の医師が一定数いることを確認しましょう。

周辺地域の医療の中核を担うような病院であればOKです。

 

経営母体に問題がある病院

一部の病院では医療者として必ずしも適切ではないと思われる活動をしている経営母体の元にある病院があります。

最も有名なのが民◯連です。こちらは共産党と強く関わりがある病院群で、反政権デモに半強制的に参加させられるそうです。政治思想に関しては個人の自由だと思うのですが、職員に強制するのはいかがなものかと思います。

その◯医連や共産党ですが、HPVワクチンに対して反ワクチン活動を行なっています

このブログを読まれる医学生の皆さまならご存知の通りでしょうが、HPVワクチンは有効性を示すデータが世界各地で報告されており、まともな研究で有効性を否定するデータは皆無と思われます。またHPVワクチンの副反応として報道された重度の障害と、ワクチン接種との因果関係は否定的なデータが既に多く出ています。現代のEvidence Based Medicineに明らかに反しており、政治的な思想を優先して公衆衛生の向上を妨げていると言えます。

法的に言えば、医師法第1条(一番大事ってこと)や憲法25条(健康で文化的な最低限度の〜っていう条文の後半)に反しています。

また他の病院への転職の際にも、危険人物である可能性から弾かれることもあるようです。

見抜き方と回避方法

単純に民医◯の系列病院は回避しましょう

何も知らない学生に奨学金を貸し付けて入職させるなどしているようなので注意です。また世間知らずな医学生への布教活動も熱心なので騙されないように。

他にも怪しい団体はあると思いますが、詳しくないので知っていたら教えてください。

 

 まとめ

研修病院の選び方の基準は千差万別あるべきだと筆者は考えます。従ってここに書いたのは筆者の考える病院選びの考え方に過ぎないので注意して欲しいです。

しかし同時に世に出回っている研修病院選びの考え方が画一的すぎるように感じています。『症例数が多い方が良い』『救急患者が多い方が良い』『ブランド病院が良い』『手技がたくさんできる』などのワードが好まれる傾向を一部に感じます。間違ってはいないと思いますがしっかり吟味した方が良いとも思います。残業させ過ぎていたり、件数だけ多くて症例の検討や勉強の時間が確保できていなかったり、すぐ身に付く手技ばかりやらせたりと、裏があるケースは多いです。

各個人で目指す将来像が異なるはずであり、行くべき病院像も異なるはずなのです。

特に周りに流されて人気な病院を考えている方や、たまたま仲の良い人に聞いた断片的な情報だけを鵜呑みにしてしまう方は、不幸な方向に向かってしまう恐れがあると思います。

 ぜひ医学生の皆様の求める条件に合った研修病院を選んで欲しいですし、この記事がその一助となれば幸いです。

 

期待値に基づく禁忌対策

みなさんは医師国家試験における禁忌問題をご存知でしょうか。

国試の合格基準の一つであり、3問までは選んでも大丈夫ですが4問以上選んでしまうと、必修やパンリンで9割でも無条件に落ちると言う制度です。

要はバラエティ番組で言うところのドボン問題のことです。

この記事ではそんな禁忌問題対策と、113回の試験本番で私が実際に行ったノーマーク戦術による禁忌肢回避について紹介します。

 

 

都市伝説と言われてきた禁忌落ちと112回の悲劇

予備校各社の分析によると、111回医師国家試験までは禁忌落ちの報告はほぼ皆無で、予備校各社や受験生の間では『普通の試験対策で正解を選ぶ訓練をしていれば十分に禁忌を踏まないだろう』と言われてきました。

ところが112回では禁忌落ちが20名以上報告され、筆者の大学の一つ上の先輩でもパンリン85%程度取れた優秀な方が禁忌単独落ちしてしまいました。

従って113回の受験生である筆者は嫌が応にも禁忌の恐怖に対峙することとなりました。

 

禁忌対策の教材不足

112回は6名が禁忌落ちと発表された103回以来、約10年ぶりとなる禁忌落ちが続出する年となった訳ですが、これまであまりに禁忌落ちが少なかったため各出版社や予備校各社の禁忌対策の教材はお世辞にも揃っているとは言い難い状況でした。

レビューブック禁忌なども目を通しましたが、正直、強弱のない禁忌の羅列で暗記にも適さないし、実際の臨床問題に潜む禁忌を見抜く訓練もできないので実用的ではないなと言う印象です。

唯一、実際にやって良かったと感じ、皆さんにおすすめできるのはmedu4の禁忌特講です。禁忌特講のみでも2000円代で購入でき、他の講座とセットでもう少し安く購入できます。

medu4禁忌特講の良さは

・過去問の臨床問題を中心に禁忌を回避する練習ができる。

・禁忌肢がなぜ禁忌なのかという考え方を学べる。

・禁忌に対する詳細な分析や、解く際の心構えを学べる。

・禁忌を含む臨床問題は病態を考えさせる問題が多く、掲載問題を解くでけで良い演習になる。

など挙げたらキリがないのですが、取ってみることをおすすめします。

 

禁忌対策の勉強法

禁忌対策の勉強法ですが、基本はテキストや問題に出てきた禁忌を逐一覚えていくことです。特に作動薬と抑制薬があるところや、小児産婦などは重点的に対策すべきです。これは大抵の人が既にやっているので、わざわざ説明するまでもないでしょう。

特別にやることとしては問題演習で選ばなかった選択肢が禁忌な気がしたらメモしておいて、あとで確認することがオススメです。この形式で演習をしているうちに、禁忌に対する嗅覚が優れていきます。

また禁忌になりやすいワードが問題文にあれば、そこで読むのを中断して選択肢に怪しいものがないかチェックしていました。特に既往歴には注意が必要です。具体的には、喘息の既往歴をみたらβ遮断薬がないか、ペースメーカーの人でMRIをとらないか等。



模試でも禁忌を意識すべし

『模試は本番のように、本番は模試のように解く』という格言にもある通り、模試でも禁忌かどうか考えながら解く癖をつけるべきでしょう。

ぶっつけ本番で禁忌を恐れてマークを回避するといったことに挑戦するのはオススメしません。

 

期待値に基づくノーマーク戦術

ノーマーク戦術とは禁忌肢を選ばないために、解答のマークをせずに問題を見送ることです。

ノーマークをする基準は、『禁忌を踏むリスクが、ノーマークで失点するリスクを明らかに上回った時』です。ただし、ここはかなり厳しめに基準を作る必要があります。

筆者の行った詳細な基準は以下です。

 

・必修問題はノーマークせずに全て解答する。

・複数選択の問題や適切でないものを選ぶ問題は全て解答する。

・他の選択肢が切れて合っている自信があれば基本は怖くても解答する

・解答に迷ってて、副作用の知識が怪しい場合はノーマークを考慮

・知らない薬や治療が消去法で残ったらノーマークを考慮

・妊婦や小児などの禁忌が多い分野で怪しかったらノーマークを考慮

・模試でのパンリンのボーダーとの点数差がリスクを決める距離(筆者は15点程度)

・ノーマークは1ブロックに多くとも2つまでで、全ブロックで5つ程度まで

 

軽く説明しますと、ノーマークは基本的に300点満点で1問の重みが軽いパンリンのブロックで行います。必修は1問の重みが大きすぎるので禁忌を選ぶリスクよりも失点リスクが大きいです。禁忌は全ブロックの総数が勝負なので、必修で禁忌を選んでもパンリンで取り返すというのが戦略の根幹にあります。

禁忌の具体的な数は分かりませんが、medu4禁忌特講の冒頭では先生の推測ですが、20個ほどの禁忌候補のうち10個ほどが実際に発動しているのではないかと書かれていたのでこれを参考にします。実際の受験生が禁忌か迷ったとしてもそれが禁忌候補である可能性は半分もないと思うので1/4程度と考え、禁忌候補である上に発動する確率を12.5%と仮定します。3つまでは大丈夫なので1回攻めるごとに約4%だけ不合格リスクを負うとします。

また、自信のある選択肢は9割がた合っていますので、失点リスクの期待値が0.9点ほどと大きくなります。合格点との距離が15点の場合は約6%の不合格リスクを負います。従って自信ある問題は不安でも鉄の心でマークします。

逆に2択3択などで迷った問題であれば、失点リスクの期待値は0.5点や0.3点(不合格リスクは約2~3%)となり、ここで禁忌のリスクをとる価値はないと考えます。また迷った時点で割れ問題の可能性が高く合否を分けないと考えてノーマークします。




国試本番でのノーマーク戦術

筆者が実際に本番でノーマークを選択したのは結局のところ1問だけでした。

その問題が以下で、これを参考に解説します。

https://medu4.com/113A8

こちらの問題は『妊娠10週』とあり、器官形成期でまさに催奇形リスクの温床といった時期の問題です。ここでよくある抗菌薬や糖尿病薬や降圧薬を選べせる問題であれば、ある程度の自信を持って選ぶべきですが、今回は尋常性乾癬の問題です。

尋常性乾癬だけの治療法であれば、PUVAビタミンDステロイドも聞いたことあった気がします。しかし、『内服って何を内服するの?』『ビタミンって内分泌を撹乱して奇形おこしそう…』『ステロイドってただでさえ副作用多いのに胎児は大丈夫?』といった疑問が湧いてきました。おまけに『ビタミンAなんてATRA療法の仲間じゃん、分化に影響するじゃん』みたいな選択肢も紛れている。

これ以上は勉強不足のために選択肢をa,d,eから絞り切れませんでした。

ここでノーマーク戦術の出番です。

パンリン。3択なので失点リスクは0.3点(不合格リスク2%程度)。たぶんd,eあたりで受験生も割れそうです(実際割れてました)。割れ問であれば失点も痛くです。さらに外した場合に禁忌と言われても文句の言えない選択肢の並びです。

以上から筆者は禁忌回避のためにノーマークにしました。



まとめ

禁忌対策について書いてきましたが、いかがだったでしょうか。

あまり禁忌に関して触れた記事も多くないので、ブログを書いてみました。

やはり国試の合格率の性質上、国試が終わっても多くの人が点数的に合格点でも禁忌が気になるという人が多いです。人生最後の春休みを楽しんでいるのに心の片隅にある不安、これを最小限にできたらと考えてまとめてみました。

 

余談:ギャンブル中毒からみた国試

以下は狂人の戯言なので、不適切な表現が多々ありますが、寛大な心でご容赦いただけると幸いです。

ここだけの話でやや不謹慎(?)なのですが、国試を受けていた時の正直な感想は『楽しい』でした。

それが何故なのかその時は分からなかったのですが、今思うと筆者は国試本番をギャンブルのように捉えていたのかもしれません。

実は筆者は昔から確率を駆使するゲーム、つまりギャンブル(花札ポーカー麻雀など)が大好きなんです。上記の期待値に基づく選択の方法も元を辿るとギャンブルの発想です。

禁忌が怖くても自信のある問題は自分を信じてマークする、このスリルはまさにレイズやゼンツそのものです。ノーマーク戦術はいわばフォールドでありベタオリなのです。

ギャンブルではリスクとベネフィットの期待値を瞬時に計算して判断を下すことが求められます。そのために日頃から判断根拠について勉強をするものなのです。ギャンブルというと怪しいイメージがあると思いますが、座学と実践の積み重ねなんです。これは合否付近にいる受験生(偏差値30~50あたり)に近い状況だと筆者は考えます。

国試について考えてみると、模試の偏差値は40代で合格するかは分からない状況でした。筆者の場合は受かれば年収500万以上、落ちればMECで300万の授業料と一年の勉強生活。掛け金の上下が800万で、たった二日たった400回の試行回数でそれだけ動くギャンブルと考えると、そのスリルもなかなかのものです。平均するとたった1問(1回の試行)で2万円と1日弱の時間を失うなんて正気の沙汰ではないです。

よく『国試せん妄』なんて言葉を見かけますが、それは本番のプレッシャー下での緊張で普段通りの力を出せないことに起因します。ギャンブルでもプレッシャーのかかる場面が多いのですが、その対策として『あらかじめ判断基準を明確にしておいて、本番は基準通りに機械のように判断を下す』ということがメジャーに行われています。筆者はギャンブルで緊張下での状況判断の練習を積んできたため、冷静に普段と同じ判断を高い再現性でできました。ありがとうギャンブル

(合格体験記風に締めくくってみました)

 

 

医学部が大変なのは本当なのか?

医学部が大変なのは本当なのか?

 

春ですね。

Twitterを見ていると医学部の合格報告がいいねやリツイートで連日のように流れてきます。合格者の皆様おめでとうございます。

しかしTLを眺めていると「医学部きつい」「医学部に来ては行けない」と言う医学生のツイートが散見されます。

さて実際のところ本当に医学部は大変なのか?

医学部6年間を振り返って、個人的に思う医学部が大変か否かについて紹介していきたいとます。

 

 

筆者の周りの非医学部の方々

まず医学部が本当に大変かを議論する前提として、誰と比較するのかと言う問題があります。いわゆる対照群ですね。

私の交友関係としては、再受験してきた同級生、同大学の他学部(理系・文系で偏差値は60ぐらい)、近隣他大学(偏差値50ぐらい)、高校の同級生(進学校で名門大が多い)がいるので、その人たちの発言などを参考にしています。

再受験でもしなければ、多くの人は複数の学部を体験することはできないため、医学部の大変さを単純比較が難しいですが十分に議論できるかなと思います。

 

医学部の留年率は高い?

まず医学部の大変さとして挙げられるのは進級試験の大変さが挙げられます。

大学による差はありますが、全国平均のストレート進級率は約85%だそうです。

なんと約15%も留年する!!やはり医学部の進級は大変だ!!

全国医学部の進級・卒試・ストレート卒業難易度ランキング: 孤軍奮闘。再受験のち医大生。

 

…と単純に決めつけるのは早いです。

大事なのは他学部との比較です。これをせずに自分たちのデータだけ見て主観でものを語るのは良くないかなと思います。

実は全国の国立大学の留年率は4年制では14.9%、6年制では12.7%なんだそうです。

国立大学の留年状況を知る。 - 大学職員の書き散らかしBLOG

 

…あれ?医学部の留年率以外と普通じゃないですか?

筆者の知り合いで留年した理由で多いのは就職留年、勉強、留学などですが、留学を除いても他学部も意外と苦労して留年していると言えそうです。

 

勉強が大変

留年率はそこまで高くないことは分かりました。

それでもやっぱり勉強が大変な気がしますね。

今どき大学生の勉強事情|平均学習時間は?海外との格差がヤバイ|Campus Hub

全国の大学生の大半は、一週間に10時間も勉強しない人が多く、試験前ですら一日4時間勉強しない人が半数近くなようです。

流石に試験前になったら徹夜したり一日中勉強している医学生の方が勉強時間では圧勝な気がします(嬉しくない)。

 

そもそも医学部は全体的に勉強ができる人が多く、最も簡単に入学できる大学ですら早稲田の理工系と同レベルと言われています。

世間の人が1週間かけてもできない内容を1日でできるようになる人も多い気がします。

そんな医学生でも苦戦する試験が年に何度もあると言う点で、間違いなく勉強は大変だと思います。

医学生以外の方々は、試験勉強に苦しむ医学生を見ても低スペックなんて言わないであげてくださいね。

 

ただ勉強量も大学のレベルや学部にもよるようで、医学部と同レベルの大学の理系の学生は意外と勉強をしている人が多い気がします。

司法試験国家公務員試験などを受験する方々などは、平均的な医学部生と大差ないか、むしろ大変な勉強をしているような印象すら受けます。

ただ勉強内容に関しては、暗記よりも理数系思考を得意とする理系学生を多く集めているはずなのに、思考力よりも多くの暗記量が求められる医学部の試験は、相性として厳しくなっている側面は無視できないと思います。

 

カリキュラムが大変

医学部のカリキュラムといえば、毎日ギチギチに授業が入った時間割ですよね。

さらに高学年になると夏休み春休みが他学部に比べて短縮されている鬼畜っぷりです。

 

確かに多くの文系の方々の穴だらけなカリキュラムとは比較にならない大変なカリキュラムなんですが、他の理系と比較した時、少し見え方が変わるかなと言う気がします。

同大学の理工系のカリキュラムも、あまり変わらないぐらい専門科目で埋まっていました。研究室配属以降は研究室次第ですが、平均より大変なところだと9時から21時ぐらいまで拘束されたり、徹夜で実験や休日返上なんてこともよくみる光景です。

正直、人権があるか怪しい理工系のブラック研究室に比べたら、医学部のカリキュラムなんて可愛いもんな気がします。

総合大学に通う医学生はこの辺をよく分かっていることが多いのですが、地方の単科大学や他学部と分離されている大学に通う医学生はこの事実を知らずに、自分たちが最も大変かのように主張しているような気がします。

 

実習が大変

これに関しては人による気がしますが、個人的には医学部生活で一番つらかったです。

7,8時ぐらいの朝早い集合、医員の先生ですら何人も寝るほどつまらないカンファ、術野を開くまでと閉創までが異常に長い手術、つまらない世間話を長々と聞かされる回診、無駄に人数が多くて患者さんが見られない総回診など、本当につらかったですね。

生産性がない時間が多すぎます。お金を貰える先生方はそれでも良いんでしょうけど、無給で人生の貴重な時間を捧げる価値はないです。

 

医師の労働環境

最近でも無給医問題や残業時間、訴訟など医師の労働環境を疑うようなニュースが多く流れていますね。

実際に平均を見ると医師の労働時間はブラックと言える水準です。

しかし医師免許のもたらすメリットを考慮すると必ずしも厳しいとは言えない気がします。医師のいつでも年収1000万ぐらいの職場に自由に転職できることは大きなメリットです。

普通の職業には退職リスクがあります。普通の社会人なら合わない職場やブラックな部署への配属などになったら、耐えるか待遇悪化を覚悟で退職するかみたいになりますからね。

 

また他の高給とされる職業も残業が多かったりハードワークであるを考えると、決して医師だけがブラックとも言えないです。

さらに医師には職場を選ぶ権利があるので、本当にきつければホワイトな職場に行けば良いのです。

 

医師と言う職業の将来性ですが、なんとも言えないですが今より悪化するのではないかと言う予想が多くありますし、筆者も今より医師の収入は減少するのではないかと考えます。

しかしAI化にしても人口減少による患者数の減少に関しても、他の職業も同程度のリスクがあります。悲しいことに日本全体として内需の減少と税制の悪化は避けられないのですから。

医師という職業の絶対的な立場は低下しても、他と比べた相対的な立場が大幅に低下するとは考えにくいです。

 

他学部は他学部で大変

これは医学部の良いところ(?)の裏返しなのですが、就活の大変さは他学部が大変そうだなと感じます。

就活にはあまり詳しくないのですが、どうも実際の能力よりも外見や印象などの本人ではどうしようのもない点で決まってしまう部分が多いようです。

面接なんて客観性皆無なので、男女差別もかなり多いみたいですね。医学部入試の女子差別問題なんかより闇が深そうです。

とにかく努力ではどうしようもない理不尽な部分があります。

同じ医療系でも、歯学部や薬学部は国家試験の合格率が低かったり、看護学生の実習の仕打ちとかを見ていると、医学科は理不尽な部分は少ないような気がします。

 

 

まとめ

結局、医学部は大変なのかと考えてみると、試験勉強に求められる暗記量は理系学生に課すには大変だと思います。医学生に求められる努力量はトップクラスであることは間違い無いでしょう。世間の大半の人では不可能な勉強量だと思います。

ただし就活やブラック研究室のような理不尽でどうしようもないタイプの大変さは、他学部に比べて少ないような気もします。勉強は大変ですが、逆に勉強さえできればあとはなんとかなりますからね。

卒後に関しても医師という職業はまだ恵まれている方ですし、だからこその医学部人気ですからね。

あとは皆さんがどのようなことを大変だと感じるか次第なので、結論としての判断は皆さんにお任せします。

サマライズ・ラスメ懐疑論『孝志郎は神なのか?』

サマライズ・ラスメ懐疑論『孝志郎は神なのか?』

 

 

こんにちはチクタクです。

 

医師国家試験が近づいてくる冬ごろになると、受験生の間で必ずと言って良いほど話題になる『国試の問題を的中させまくる講座』が存在します。

医学生ならご存知の方も多いと思いますが、MECの看板講師であるDr.孝志郎が担当するサマライズラストメッセージ(以下ラスメと略す)は的中問題が多く、『孝志郎は神』『予言者』『問題のリークがあるのではないか?』などの憶測が飛び交います。

 

今回はそんなサマライズ・ラスメの孝志郎神話について、実際に受講した立場から検証して行こうと思います。

 

目次

 

圧倒的な受講者数

まず113回受験生でのサマライズの受講者ですが、7500人以上と言う約1万人しかいない受験生のうち75%が受講すると言う驚異的なシェアを誇ります。

例年の受講生達が国試合格後、後輩たちに『本当によく当たる』『絶対に受講した方が良い』『孝志郎は神』『孝志郎は問題を知っている』と口々に伝えます。自分も先輩方から上記のような言葉を毎年のように聞かされたので、必ず受講せねばと思っていました。

その結果、徐々にシェアを拡大して今年はついに75%に達してしまいました。

来年以降のシェアが拡大し続けるのかは分かりませんが、他に対抗できる後期講座もないため、少なくとも受験生の半分以上が受講する流れは大きく変わらないと思われます。

合格率9割の試験であり、みんなと同じ勉強をして、みんなと同じ解答を選べれば受かる、とされる医師国試において、このシェアの大きさは無視できないのではないでしょうか。

講座の良し悪しや的中率に関わらず受講しておいて損はないと言えるでしょう。

 

そもそも量が多い

本題のサマライズ・ラスメは本当に的中しているのかについて、率直な感想を言わせていただくと、それなりに的中している問題が多いとは思うが神なんて大層なもんじゃないなと言った感じです。

まずコスパについては、比較的良い方だとは思うますがかけた時間を大きく上回るほどの効果はなかったかなと感じました。

今年のサマライズは72コマ/1245問で構成されており、予習復習受講にかかった時間は100時間を軽く超えます。さらに開講時期も秋頃であり、前期講座や卒業試験などで一通りの学習を終えた受験生向けに、正答率95%のような簡単な内容は省いて得点差がつくやや難しめの問題を中心に扱っています。

範囲も全分野に渡っており、サマライズ・ラスメ・直前予想メール、それだけやればそりゃ当たるわなと言った感じです。むしろ出ると言ったのに外した項目をあげればキリがないほど多いです。実際、同じ時間で他の教材をやっても、それなりに国試に出題される内容の勉強ができるとは思います。

ラストメッセージと同時期にmedu4が開講していた究極MAPの方が、『出題された事項/かけた時間』と言う意味ではコスパが良かったと思います。(※私はmedu4好きなので参考程度に)

予想的中のからくり

問題漏洩疑惑がかかっていることに対しての弁明なのかは分かりませんが、Dr.孝志郎は意外と授業中に予想的中のからくりを語っていました。

大きく分けると『詳細な過去問研究』『出題者委員の専門分野の予想』『出題ガイドラインの改定箇所』『アメリカの国試からの改題』『臨床現場で注目を浴びていること』を中心に予想をしているようです。

私はMECの回し者ではないのですが、これらの予想方法については非常に素晴らしい分析をしていると感じ、Dr.孝志郎の予備校講師としての気合の入れ方や能力の高さに驚かされました。

過去問研究については、過去問の臨床文の細かな注意書きにも注目して、同じ臨床医として研修医に身につけて欲しいポイントなどの出題者の意図を推察して、次に出題するならどう出すかについて予想をしています。

公開されている出題者委員についても、専門分野を調べ、時には学会発表を見に言ったり関係者の意見を聞いたりと、出題者が好む分野について調べあげています。

また自身の臨床経験から最近の医学界で注目を集めている分野についての解説があります。

 

このように予想方法を説明するとキリがないのですが、とにかく言えることは、Dr.孝志郎が毎年のように予想を的中させているのはDr.孝志郎の分析と経験に裏付けられえたものであり、ある種の必然性を感じます。

これを受験生が自力でやるのはあまり効率的ではないので、その点でサマライズ ・ラスメを受講する意義はあると感じます。




予想的中に関する受験生側のバイアス

『この問題、進◎ゼミでやったやつだ!』と言ったようなセリフが必ず描かれてる、御都合主義の塊みたいなサクセスストーリーが描かれた漫画が家に届いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし冷静に考えてみると、テストに出る内容なんて大抵は授業で話していたり、学校に配られた教科書や問題集に既にあったりするものなんですよね。

なぜこの漫画の主人公がこんなセリフを言うのか?

それは『既に習ったことを忘れて、直前に勉強した◎研ゼミで学習したように錯覚している』からだと思うんですよね。

これが直前に行われるサマライズやラスメにも言えるのではないでしょうか。サマライズで習ったことを前期のテキストで復習しようとしたら、同じ内容を既に前期に習っていたと言う経験が何度もありました。

要は勉強不足・復習不足なのですが、これも直前講座の的中神話を後押ししているのではないかと感じます。

 

また、国試は9割が合格する性質上、受験生のボリュームゾーンは不安で勉強していたが蓋を開ければ合格していたと言う層で構成されています。

藁をもすがる思いで受講した直前講座のお陰で受かったかのような印象が強く残ってしまい、そう言った合格者の声が強く後輩たちに伝わってしまうのではないでしょうか。




Dr.孝志郎に対する個人的な見解

Dr.孝志郎の授業を受けてみて、話がとても面白く、彼の経験した症例についての説明が光景が目に浮かぶように分かりやすいと言う印象をまず受けました。

基本的にmedu4を中心に学習しHZM先生を最も信頼している自分ですが、話の面白さや症例の分かりやすさについてはDr.孝志郎に軍配が上がるかなと思います。

個人的に気に食わないのは、Dr.孝志郎が予想を的中させる神のように祭り上げる風潮があることです。予想的中のからくりの章でも述べましたが、予想が当たるのは彼の優れた分析力と経験に裏付けれたものであり、変に特別扱いするのは間違っていると思います。当たり前ですがDr.孝志郎と直接触れ合ったからってご加護があって受かるなんてことはないのです。

ただそれでも、業界でも随一の実力がある予備校講師の一人であることも、また疑いようのない事実でしょう。

 

ぶっちゃけサマライズ・ラスメを受講した方が良いの?

これから国試を迎える医学生のみなさんが一番気になるのは受講すべきか否かと言う点だと思います。

結論としては『受講を推奨するが、過度な期待はしない方が良いし、金銭的・時間的な余裕がないなら受講しない選択もアリ』です。

みんなが受講しているものに取り残される不安材料を作りたくない、直前期に全分野を再度復習して知識を確認する教材が欲しい、と言った目的で受講するのはありかと思います。

ただし、予想問題でチートして得点したいとか、基礎を疎かにしてたまにしか当たらない予想ばかりに惑わされるのはおすすめしません。生講義で神と触れ合ったり一緒に写真を撮ってご加護を受けに行くみたいなオカルトは論外です。

おまけですが個人的には、medu4の究極MAPの方がコスパとしては役に立った印象があります。ただ究極MAPはあまり時間がかからず、私はMECの講座と両立できたので、余裕があれば複数の予備校の講座を取るのもありかなと思います。

βラクタム系抗菌薬のゴロ・覚え方

βラクタム系抗菌薬のゴロ・覚え方

 

「セフレのペ◎スを狩る者」

  • セフレ:セフェム系 (セフ~で始まる薬が多い)
  • ぺ◎ス:ペニシリン系 (~シリンで終わる薬が多い)
  • 狩る:カルバペネム系 (~ペネムで終わる薬が多い)
  • 者:モノバクタム系 (~クタムで終わる薬が多い)

 

解説

やんちゃしてる女の子が次々と男達を狩っていく感じでしょうか。倒した相手から刀を集めて回った弁慶のような感じですかね。

抗菌薬は大きく分けてβラクタムかそれ以外かに分けられます。

βラクタム系抗菌薬は細菌の細胞壁合成を阻害して殺菌します。これが効かないタイプの細菌にはマクロライド、テトラサイクリン、ニューキノロンなどの抗菌薬を使用します。